子供の頃覚えた懐かしい言葉
私が子供の頃(昭和31年生まれです)は、「指きりげんまん」とか、「雷さんにへそをとられるぞ」とか、こんな言葉が普通に使われていました。
なんとも懐かしい言葉達。
指切りげんまん
今の子は、「指きりげんまん」を知っているかどうか?
アンケート取ってみないと実態は判りませんが、あまり最近耳にしていない言葉です。
これは子供が約束をするときに、お互いの小指と小指ををからませて、
「指切りげんまん嘘ついたら針千本の飲ます」と節を付けて互いに唱える言葉。
そして、その後に、「指切った!」と締めます。
(*゜ー゜)db(゜ー゜*)
「げんまん」という言葉は、拳万と書きます。
約束を守らなかった時に、拳骨で一万回殴る という意味。
考えてみると、なんとも乱暴で怖い話ですよね。
そもそも、針を飲ますということが恐ろしい!
しかも千本も!
印象に残りやすいように、「万」と、「千」、ゴロを良くしているのでしょう。
この「指切り」は、実は、血判状を書く時の朱肉代わりの血を得るために
「指を切る」ことが由来とも言われています。
また、江戸の頃、吉原の遊女が自分の男に愛の証として、
実際に小指を切り落として渡したという話もあります。
これも怖いですね。
「指きりげんまん」は、このように、言葉の裏にある意味を思うと、
とっても怖い言葉ですが、それだけ、約束は大切である ということを、
徹底的に、子供に教育するための言葉だったのでしょう。
雷さんにへそをとられるぞ
自然現象の「雷」を擬人化しているのが、いかにも日本的で面白い。
日本人は、とにかく擬人化するのが好きです。
昔の子供たちは、お風呂上りにいつまでも素っ裸でぐずぐずしていたり、
寝ている時も、夜お腹を出していたりすると、親によくこう言われました。
雷さまは人間の子供のおへそが大好きで、
おへそを出していると、取って食べられると脅かしているわけです。
お腹(おへそ)を出していると、体を冷やして風邪ひいたり、
お腹を壊したりするので、「へそを出さない」ようにするための方便ですが、
この話を信じるのはせいぜい6歳くらいまででしょうか?
昔も今も、腹を冷やすことは身体に良くないのは事実です。
子供は雷が怖いので、脅ししては効き目があったわけですね。
ウチの子にも小さい時云った覚えがありますが、今は使われているのでしょうか?
たんに私の周りに幼い子どもが居ないから、私は耳にしていないだけかもしれません。
でも、実際には雷様はおへそを食べません。
その証拠に、おへそを出して街の中を歩いてる若い女性が沢山います。(笑)
人さらいにさらわれるぞ
子供の頃に母によく言われたのが、
「夕方、暗くなる前、午後5時迄には家に帰る事」。
門限を決められていても、友達と遊んでいると、ついつい時間を忘れてしまって、
真っ暗になってから家に帰ったりすると、いつも叱られたものです。
そんな時に、親が子供によく云ったのが、
「人さらいにさらわれるぞ」 でした。
この言葉は随分昔からある、子供をしつけるための「脅かし」の言葉であり、
昔は方便だったのかもしれません。
しかし、私が小学1年生(1963年)の頃、
私と同い年位の男の子が実際に誘拐されて、殺されるという事件が起きました。
「吉展ちゃん誘拐殺人事件」という事件です。
そしてそれ以降は、北朝鮮による拉致事件が多発。
これらの事件以来、単なる脅かし言葉ではなく、現実的な言葉になりました。
特に最近は本当に事件が多くなってきていて物騒です。
みっともない
この言葉の語源は、「見とうもない」、なんだそうです。
「見たくもない」 というところから出来た言葉。
「そんなみっともない格好をするな」 などと服装の事をいうことも有り、
「みっともない真似をするな」 と行動についていうこともありました。
「お行儀が悪い」 というようなエチケット違反程度のことから、
身の処し方に至るまで、幅が広く使われた言葉。
「みっともない」ことを子供時代から注意しておかないと、
本当にみっともないおとなになってしまうという、
親心もありますが、
親としての世間体もあります。
しかし、本来の言葉としての意味合いは、
他人が見る見ないは関係なく、本人の美意識や倫理観の問題だと感じます。
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