孔子と聖書の両方にある教え

【罪を悪んで人を悪まず (つみをにくんでひとをにくまず)】

この言葉は、【罪を憎んで人を憎まず】と表記することもあるのですが、出典は孔子の言葉です。

『孔叢子』刑論にある孔子の言葉として、
「古之聴訟者、悪其意、不悪其人(昔の裁判所では訴訟を取り裁くとき、罪人の心情は憎んだが人そのものは憎まなかったの意味)」
とあります。
日本語では「うらむ」と読んでいますが、悪其意、不悪其人
とあるので、「憎まず」ではなく「悪まず」が正しい表記に成ります。

この言葉の意味、孔子の教えは、
犯した罪は憎むべきであるが、その罪を犯すに至るまでにはそれなりの事情がある。
罪を犯した人、そのものを憎んではいけない。 という事をいっています。

一方、聖書(ヨハネ福音書8章)にも 「罪を憎んでも人を憎まず」という言葉があります。
Hate not the person but the vice.(人を憎まずに罪を憎め)
孔子の「罪を憎んで人を憎まず」と同じ意味と解釈されています。